一人暮らしを始めて、「節約のために自炊しようかな」と思う人は多いはず。
でも、いざキッチンに立つと——「何が必要で、どれを買えばいいかわからない」「全部揃えると高そう…」そんな気持ちになりますよね。
ネットで検索すると「調理器具50点セット」みたいな記事が出てきて、「そんなに必要?」と余計に混乱することも。
答えはNOです。
自炊を始めるのに必要なのは、”料理が億劫にならない道具”を最低限そろえること。高級な道具を揃えても、使わなければ意味がありません。
この記事では、自炊初心者が本当に使う道具だけを厳選して紹介します。予算目安・選び方のコツつきで、無駄なく自炊をスタートできます。
目次
- 【最優先】Step 1:メインツール|火を使うための”中心道具”
- 【最優先】Step 2:切る・混ぜる|下ごしらえの基本セット
- 【あると安心】Step 3:計る・混ぜる・整える|料理の失敗を防ぐ道具たち
- 【後から買うべきもの】焦って揃えると後悔する道具
- 【一覧表】自炊初心者が最初に買うべき調理道具
- 【予算の目安】調理道具セットの総額|節約ポイントつき
- 【番外編】あると便利な調理道具(1ヶ月後に検討)
- まとめ|道具は”料理のハードルを下げるもの”
【最優先】Step 1:メインツール|火を使うための”中心道具”
料理の8割は「焼く・炒める・煮る」。まずはこの3つができる道具を揃えましょう。
フライパン(20〜24cm)|自炊の中心選手
なぜ最優先?
炒める・焼く・煮る・温めるまで、これ1つで完結します。一人暮らしの料理は「フライパンだけで作れるメニュー」が驚くほど多いんです。
選び方のコツ
- サイズは20〜24cm(一人分に最適)
- フッ素コート(テフロン)加工で焦げつきにくく
- 取っ手が外せるタイプなら収納もスマート
- 予算:1,500〜3,000円
大きすぎるフライパンは洗うのも収納も大変。最初は小さめで十分です。
自炊継続のコツ:最初の料理は”焼くだけ・混ぜるだけ”でOK。フライパンひとつで、十分「自炊してる感」が出ます。
片手鍋(14〜16cm)|”ちょっと煮る”の万能選手
なぜ必要?
味噌汁、スープ、インスタント麺、ゆで卵——一人暮らしの料理は「ちょっと煮る」でできることが多いです。
選び方のコツ
- サイズは14〜16cm(1〜2人分)
- ステンレスかアルミ製が軽くて扱いやすい
- 取っ手が熱くならないタイプが安全
- 予算:1,000〜2,500円
大きい鍋より、小さい鍋の方が洗うのも楽で、結果的に長続きします。
賃貸あるある:IHコンロの場合、IH対応かどうか必ず確認を。ガスコンロならどの鍋も使えます。
メインツールの予算目安
| アイテム | 予算 |
|---|---|
| フライパン(20〜24cm) | 1,500〜3,000円 |
| 片手鍋(14〜16cm) | 1,000〜2,500円 |
| 合計 | 約2,500〜5,500円 |
【最優先】Step 2:切る・混ぜる|下ごしらえの基本セット
火を使う前に、食材を切ったり混ぜたりする道具が必要です。
包丁(万能タイプ1本)|三徳包丁で十分
なぜ1本でいい?
野菜、肉、魚——全部これ1本で切れます。パンや果物も大丈夫。プロでもない限り、包丁は1本あれば十分です。
選び方のコツ
- 三徳包丁(刃渡り16〜18cm)が万能
- 軽くて手に馴染むものを選ぶ
- ステンレス製が錆びにくくメンテナンス楽
- 予算:1,000〜3,000円
高い包丁よりも、「すぐ出して使える包丁」がいい包丁です。
よくある失敗:切れ味の悪い包丁を使うと、料理が億劫に。100円ショップの包丁より、2,000円程度の包丁の方が長く使えます。
まな板(30cm前後)|軽くて洗いやすいプラスチック製
なぜプラスチック?
木製よりも軽く、洗いやすく、衛生的。シンクで洗うのも食洗機で洗うのも簡単です。
選び方のコツ
- サイズは30cm前後(一人暮らしに最適)
- 滑り止め付きなら安定
- 白やグレー系で統一するとキッチンが清潔に見える
- 予算:500〜1,500円
プチアドバイス:カラフルなまな板より、白やグレーの方が汚れが目立って清潔を保ちやすいです。
木べら or シリコンスパチュラ|フライパンを傷つけない調理器具
なぜ必要?
炒める・混ぜる・取り分ける——これ1本で全部できます。金属製のお玉や菜箸だとフライパンを傷つけるので、最初からこちらがおすすめ。
選び方のコツ
- 耐熱シリコンタイプが初心者向き
- 一体型(継ぎ目なし)が洗いやすい
- 予算:300〜800円
自炊継続のコツ:洗う道具を増やさないことが、自炊が続く最大のポイントです。
下ごしらえセットの予算目安
| アイテム | 予算 |
|---|---|
| 包丁(三徳包丁) | 1,000〜3,000円 |
| まな板 | 500〜1,500円 |
| シリコンスパチュラ | 300〜800円 |
| 合計 | 約1,800〜5,300円 |
【あると安心】Step 3:計る・混ぜる・整える|料理の失敗を防ぐ道具たち
「なんとなく」で作ると失敗しやすい自炊。計量ができると、味が安定して料理が楽しくなります。
計量スプーン(大さじ・小さじ)|レシピ通りに作れる
なぜ必要?
醤油、砂糖、塩——調味料の分量を間違えると、味が台無しに。計量スプーンがあれば、レシピ通りに作れて失敗が減ります。
選び方のコツ
- 大さじ・小さじがセットになったもの
- ステンレス製が丈夫
- 予算:300〜800円
計量の感覚が身につけば、味が安定して料理が楽しくなります。
ボウル(中サイズ1個)|洗う・混ぜる・電子レンジまで
なぜ1個でいい?
野菜を洗う、調味料を混ぜる、電子レンジ調理——1個あれば十分回せます。
選び方のコツ
- 直径20cm前後の中サイズ
- ガラス製ならそのまま食卓にも出せる
- ステンレス製は軽くて丈夫
- 予算:500〜1,500円
プチアドバイス:「洗う道具を増やさない」が自炊継続のコツ。最初は1個で様子を見ましょう。
トング or 菜箸|炒める・取り分ける万能ツール
どっちがいい?
初心者にはトングがおすすめ。しっかり掴めて、炒め物も取り分けも簡単です。
選び方のコツ
- 長すぎず軽いトング(25cm前後)
- シリコン製の先端ならフライパンを傷つけない
- 予算:500〜1,000円
計量・整えるセットの予算目安
| アイテム | 予算 |
|---|---|
| 計量スプーン | 300〜800円 |
| ボウル(中サイズ) | 500〜1,500円 |
| トング | 500〜1,000円 |
| 合計 | 約1,300〜3,300円 |
【後から買うべきもの】焦って揃えると後悔する道具
自炊を始めるとき、「これも必要かも」と買いすぎてしまうのはよくあること。
でも、以下のものは料理に慣れてから検討するのが正解です。
すぐには要らない調理道具
- ❌ おたま
→ スープや味噌汁を作るようになってから。最初はコップで代用できます - ❌ ザル・ボウルセット
→ パスタや麺類を頻繁に作るようになってから。週1回以下なら不要 - ❌ 計量カップ
→ 料理に慣れてきて「目分量」に不安を感じたら買えばOK - ❌ 泡立て器
→ お菓子作りをしない限り使わない - ❌ キッチンスケール(はかり)
→ お菓子作りや本格的な料理をするようになってから - ❌ 圧力鍋・土鍋
→ 料理が習慣化してから。最初は使いこなせません - ❌ 高級包丁・特殊な調理器具
→ 料理の腕が上がってから検討を
合言葉は「最低限で始めて、必要になったら買い足す」。足りないより、「買いすぎて使わない」方がよっぽど無駄です。
【一覧表】自炊初心者が最初に買うべき調理道具
最低限で自炊を始められる、バランスの取れた構成です。
| カテゴリ | アイテム | 必要数 | 優先度 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 火まわり | フライパン・片手鍋 | 各1 | ★★★ | “炒める・煮る”ができればOK |
| 切る・混ぜる | 包丁・まな板・スパチュラ | 各1 | ★★★ | 毎日使う基本セット |
| 計る・整える | 計量スプーン・ボウル・トング | 各1 | ★★☆ | 味と作業の安定感アップ |
| 合計 | 9点 | — | — | 最初の1ヶ月はこれで十分 |
※ 優先度★★★=自炊開始から必須、★★☆=あると便利、★☆☆=後から検討
【予算の目安】調理道具セットの総額|節約ポイントつき
無理なく揃えられる予算配分の参考にしてください。
| カテゴリ | 最小限予算 | 標準予算 | 節約のコツ |
|---|---|---|---|
| メインツール(フライパン・鍋) | 2,500円 | 5,500円 | セット商品を狙う |
| 切る・混ぜる(包丁・まな板・スパチュラ) | 1,800円 | 5,300円 | 100円ショップは避ける |
| 計る・整える(計量・ボウル・トング) | 1,300円 | 3,300円 | 100円ショップでもOK |
| 合計 | 約5,600円 | 約14,100円 | 実家から借りて-3,000円 |
予算を抑える3つのコツ
1. フライパン・鍋・包丁はケチらない
100円ショップの調理器具は、使いにくくてすぐダメになります。2,000円前後の道具なら数年使えて、結果的に節約に。
2. 計量スプーンやボウルは100円ショップでOK
計るだけ・混ぜるだけの道具は、安いものでも十分。DAISO・Seriaの調理小物は品質も◎。
3. 実家から借りられるものは遠慮なく
使っていない調理道具があれば、譲ってもらいましょう。特にボウルや計量カップは、実家に余っていることが多いです。
予算配分の鉄則:火を使う道具(フライパン・鍋・包丁)にはお金をかけ、それ以外は最小限に。これが失敗しない自炊のコツです。
【番外編】あると便利な調理道具(1ヶ月後に検討)
自炊が習慣になってきたら、以下を買い足すとさらに快適に。
キッチンバサミ|包丁を使わず切れて洗い物が減る
用途: ネギを切る、肉を切る、パッケージを開ける
予算: 800〜1,500円
包丁とまな板を出さなくていいので、ちょっとした調理に便利。特に一人暮らしでは重宝します。
おたま|汁物やカレーを作るときに活躍
用途: 味噌汁、スープ、カレーをよそう
予算: 300〜800円
週に2〜3回以上汁物を作るようになったら買い時。
ザル&ボウルセット|麺類をゆでる時に
用途: パスタ、そば、うどんを茹でる
予算: 1,000〜2,000円
週1回以上麺類を作るなら必須。それ以下ならフライパンで茹でて取り出せばOK。
まとめ|道具は”料理のハードルを下げるもの”
自炊を始めるのに、完璧なキッチンは必要ありません。
大切なのは、「今日も作ってみようかな」と思える気持ちが続くこと。
そのために必要なのは、道具を増やすことより、“気軽に始められる環境”をつくることです。
自炊初心者が最初に買うべき調理道具(優先順位)
【最優先】料理の基本ができる
- フライパン、片手鍋
- 包丁、まな板、シリコンスパチュラ
【あると安心】失敗を防げる
- 計量スプーン、ボウル、トング
【1ヶ月後に検討】さらに快適に
- キッチンバサミ、おたま、ザル
料理とは、うまく作ることではなく、自分の時間をつくること。
あなたの最初の包丁とフライパンが、新しい暮らしの”楽しみの入口”になりますように。
焦らず、自分のペースで。
あなたの自炊ライフが、心地よく始まりますように。