引越し作業を終えて、ひと息ついたとき。荷物を広げる前に、少しだけ手を動かす時間をつくりましょう。
入居したばかりの部屋は一見きれいに見えても、意外と「前の人の生活の名残」や「工事のほこり」が残っているものです。
でも大丈夫。大掛かりな掃除をする必要はありません。“新しい部屋を自分の空気に変える”、そのための準備をするだけで十分です。
この記事では、入居初日に45分でできる最低限の掃除リストを、優先順位順に解説します。完璧を目指さず、「気持ちよく眠れる状態」を目指しましょう。
目次
掃除の基本|家具を置く前がチャンス
入居直後は、まだ家具も少なく動きやすいタイミング。このときに軽く掃除しておくと、あとからの手間がぐっと減ります。
初日の掃除で大切なこと
- 完璧を目指さない:5〜10分でできる範囲でOK
- 家具を置く前に:動線が空いているうちが効率的
- 触れる場所を優先:ドアノブ、スイッチ、水回りなど
本格的な大掃除は、暮らしに慣れてからゆっくりやれば十分。今日は「自分の空間に変える」ための最低限だけを整えましょう。
【Step 1】床と壁まわりのほこりを取る|所要時間:約10分
まずは床に目を向けましょう。見た目以上に、引越し作業中の段ボールくずやほこりがたまっています。
掃除の手順
1. フローリングワイパーで全体を軽く拭く
乾いたシートで床全体をサッと拭きます。掃除機よりも静かでコンパクト、まだ掃除機を買っていない人でもこれで十分。
2. 壁際・隅・巾木(はばき)を拭く
ほこりがたまりやすいのは部屋の四隅と壁際。乾いた布やハンディモップで軽くなぞるだけでOK。
3. 仕上げにウェットシートで一拭き
特に気になる場所(玄関、キッチン前など)だけでも、ウェットシートで拭いておくと清潔感がアップします。
目標:”最初の夜、裸足で歩ける床”をつくること。
使う道具
- フローリングワイパー(クイックルワイパー的なもの)
- ドライシート&ウェットシート
- ハンディモップ(あれば)
【Step 2】水まわりをリセットする|所要時間:約15分
次に、キッチン・洗面所・お風呂を確認します。水まわりは生活の中心。ここを整えると、一気に「自分の家」らしく感じられます。
キッチン
シンクを洗う
スポンジ+中性洗剤で軽くこすります。見た目がきれいでも、前の入居者の使用痕や工事の汚れが残っていることも。
蛇口の水垢を拭く
ティッシュやキッチンペーパーで水垢を拭き取ります。クエン酸スプレーがあればより効果的。
排水口まわりをチェック
排水トラップを外して、髪の毛やゴミが残っていないか確認。臭いの原因になります。
洗面所
洗面ボウルを軽くこする
スポンジでサッとこすって、水で流すだけでOK。
鏡を拭く
水滴跡や指紋を拭き取ると、明るく清潔な印象に。
お風呂
排水口カバーを取り外してチェック
前の入居者の髪の毛が残っていることも。ゴム手袋をして取り除きましょう。
浴槽を軽く洗う
スポンジでサッと洗い流すだけで、初日のシャワーが気持ちよくなります。
ポイント:水まわりの清潔さは、暮らしの安心感に直結します。
【Step 3】ドアノブ・スイッチまわりを拭く|所要時間:約5分
前の入居者や工事業者の手が触れている場所です。アルコールシートや除菌ウェットティッシュで、ドアノブ・電気スイッチをひと通り拭いておきましょう。
拭くべき場所リスト
- 玄関ドアの内側・外側ノブ
- 各部屋のドアノブ
- 電気スイッチ(全室)
- インターホン
- 窓の取っ手
- エアコンのリモコン(あれば)
たった数分で、清潔感と安心感が変わります。
合言葉:”触れる場所=毎日の気持ちを左右する場所”。
【Step 4】窓・ベランダ・カーテンレールを確認|所要時間:約10分
窓際は見落としがちなほこりゾーン。軽く拭くだけでも、部屋が明るくなります。
掃除の手順
窓ガラスを乾拭き
新聞紙やマイクロファイバークロスで内側を拭きます。外側は後日でOK。
カーテンレールの上をなぞる
ハンディモップや乾いた布で、カーテンレールの上のほこりを取ります。カーテンを取り付ける前に掃除しておくと、あとがラク。
ベランダの砂やゴミを掃き出す
ほうきでサッと掃くだけで十分。洗濯物を干すときに気持ちよく使えます。
窓のサッシを拭く
砂や汚れがたまりやすい場所。割り箸にティッシュを巻いたもので拭くと、細かい溝もきれいになります。
【Step 5】トイレを整える|所要時間:約5分
入居後すぐに使う場所だからこそ、最初に清潔にしておきましょう。
掃除の手順
便座・タンク・床まわりを拭く
除菌シートで便座の表裏、タンク、床を拭きます。
便器内をブラシで軽くこする
トイレ用洗剤をかけて、ブラシで軽くこすって流します。
トイレットペーパーを補充
すぐに使えるように、ホルダーにセット。予備も1〜2個置いておくと安心。
消臭スプレーを配置
小さなファブリーズや消臭スプレーがあると、より快適に。
実感:トイレをきれいにしておくと、「暮らしを整えた」感覚が早く訪れます。
【Step 6】家具を置く前に”ゾーニング”を決める|所要時間:約5分
掃除の最後に、部屋の動線をイメージしておきます。
考えておきたいこと
- ベッドの位置:窓からの光、コンセントの位置を考慮
- 作業デスクの位置:自然光が入る場所が理想
- 収納エリア:クローゼット付近に衣類を集約
ベッド、机、収納の位置をなんとなく頭で描いておくと、家具を動かしてからの「掃除しづらいゾーン」を減らせます。
鉄則:「掃除しやすい配置」=「暮らしやすい配置」。
入居初日の掃除リスト(まとめ)
| エリア | 掃除内容 | 所要時間目安 | 必要な道具 |
|---|---|---|---|
| 床・壁 | ワイパー・ウェットシートで拭く | 約10分 | フローリングワイパー、シート |
| 水まわり | シンク・洗面台・お風呂を洗う | 約15分 | スポンジ、中性洗剤 |
| ドア・スイッチ | 除菌シートで拭く | 約5分 | 除菌ウェットシート |
| 窓・ベランダ | 掃き掃除・拭き掃除 | 約10分 | ほうき、マイクロファイバークロス |
| トイレ | 除菌・清掃 | 約5分 | 除菌シート、トイレブラシ |
合計:約45分
1時間かけずに”気持ちよく暮らせる部屋”になります。
用意しておくと便利な掃除道具
入居初日の掃除に必要な道具は、最小限でOK。
最低限あればいいもの
- ✅ フローリングワイパー+シート(ドライ・ウェット)
- ✅ 除菌ウェットティッシュ
- ✅ キッチンスポンジ
- ✅ 中性洗剤
- ✅ トイレブラシ
- ✅ ゴミ袋(大・小)
あると便利なもの
- ハンディモップ
- マイクロファイバークロス
- クエン酸スプレー
- ゴム手袋
本格的な掃除機やモップは、生活に慣れてから検討しても遅くありません。
まとめ|完璧じゃなくていい、”自分の空気”をつくること
引越し初日は、体も心も疲れています。だから、すべてを完璧にしようとしなくて大丈夫。
初日の掃除で目指すこと
- ✅ 「気持ちよく眠れる」状態をつくる
- ✅ 触れる場所を清潔にする(ドアノブ、スイッチ、水回り)
- ✅ “他人の空間”から”自分の空間”に変える
今日やる掃除の目的は、「きれいにする」ことではなく、「自分の空気にする」こと。
軽く拭いて、風を通して、ほんの少しだけ「自分の手」を加えることで、部屋は他人の空間から、あなたの暮らしに変わります。
小さな掃除が、あなたのこれからの毎日をやさしく整えます。
新しい暮らし、ようこそ。