段ボールを開けて荷物を出し、ふと気づく——「あれ?これがないと生活が回らない…」
引越しを終えて最初の一週間は、思いがけないところで「あって良かった」「これが足りない」を繰り返す日々です。
ネットで検索すると「新生活に必要なもの100選!」なんて記事がたくさん出てきますが、本当に最初から全部必要でしょうか?
答えはNOです。
大切なのは「生活を回せる最低限」を揃えること。あれもこれもと買いすぎて、結局使わないまま場所を取る…そんな失敗は避けたいですよね。
この記事では、一人暮らし経験者の声をもとに、最初の一週間で「本当に必要だったもの」だけを厳選しました。優先順位つき・予算目安つきで、無駄なく準備を進められます。
目次
- 【最優先】キッチン周り|まずは「食べられる」を整える
- 【翌日から必要】洗濯・掃除周り|清潔を保つ”基本のセット”
- 【翌日から必要】バス・トイレ周り|一日の疲れをリセットする場所
- 【最優先】寝具周り|眠れる環境を整える
- 【あると安心】暮らしの小物|細やかな道具が、ストレスを減らす
- 【後から買うべきもの】焦って揃えると後悔するアイテム
- 【一覧表】生活スターターセット|カテゴリ別まとめ
- 【予算の目安】スターターセットの総額|節約ポイントつき
- まとめ|”暮らしを始める”とは、完璧に揃えることじゃない
【最優先】キッチン周り|まずは「食べられる」を整える
一人暮らし=自炊、というイメージがありますが、実際には最初の数日は外食やコンビニ中心になる人がほとんど。
大切なのは「本格的な調理」ではなく、「簡単な食事ができる・片付けられる」環境を作ることです。
調理器具|”1品作れる”がスタートライン
中サイズのフライパン(20〜24cm)
一人分の炒め物や目玉焼きに最適なサイズ。大きすぎると洗うのも収納も大変です。テフロン加工なら油が少なくて済み、初心者でも失敗しにくい。予算は1,500〜3,000円程度。
三徳包丁&小さめまな板
包丁は刃渡り16〜18cmの三徳包丁が万能。まな板は一人暮らしなら30cm前後の小さめサイズが使いやすく、シンクでも洗いやすいです。セットで2,000円前後。
選び方のコツ:「洗いやすさ」を最優先に。最初は食洗機対応のシンプルな道具が◎。
食器類|”使い回せる”が鉄則
皿2枚(中サイズ・直径20cm前後)
ワンプレートで盛りつけられるサイズが便利。白や無地なら飽きずに使えます。
マグカップ1つ
コーヒーだけでなく、スープやインスタント麺にも使える万能選手。容量300〜400mlが使いやすい。
お椀1つ
ご飯やみそ汁用に。プラスチック製なら軽くて扱いやすく、予算も500円以下で揃います。
箸・スプーン・フォーク
各2本ずつあると、洗い物が溜まっても困りません。100円ショップで十分。
よくある失敗:食器を買いすぎて収納に困る。最初は最小限にして、足りなければ買い足すのが正解です。
保管・洗浄用品|”清潔を保つ”が快適の秘訣
保存容器(2〜3個)
作り置きや残り物の保存に。透明なタイプなら中身が見えて使い忘れを防げます。サイズ違いで揃えると便利。予算800〜1,500円。
食器用洗剤・スポンジ・ふきん
洗剤は除菌タイプが安心。スポンジは2個用意して、食器用と調理器具用で使い分けると衛生的です。
キッチンペーパー
油汚れや水気を拭き取るのに大活躍。1ロールあると重宝します。
プチアドバイス:ふきんは速乾タイプを選ぶと、生乾き臭を防げます。
キッチン周りの予算目安
| アイテム | 予算 |
|---|---|
| フライパン | 1,500〜3,000円 |
| 包丁・まな板 | 2,000〜3,000円 |
| 食器セット | 1,500〜2,500円 |
| 保存容器・洗浄用品 | 1,000〜2,000円 |
| 合計 | 約6,000〜10,000円 |
【翌日から必要】洗濯・掃除周り|清潔を保つ”基本のセット”
ワンルームでは、清潔を保つことが快適さに直結します。特に最初の一週間は引越しのホコリや段ボールのゴミで部屋が汚れやすいもの。
「掃除しやすい環境」を作ることが、気持ちよく暮らす第一歩です。
洗濯用品|”干せる”が大前提
洗濯ネット(2枚)
衣類の傷みを防ぎ、洗濯物の絡まりも解消。大小2サイズあると使い分けできます。予算300〜500円。
洗濯洗剤(柔軟剤入りの液体タイプ)
計量が簡単で、柔軟剤入りなら1本で済むので経済的。ジェルボールタイプもおすすめ。
ピンチハンガー
靴下や下着など小物を干すのに必須。20〜30ピンチのものが一人暮らしには十分。
ハンガー(10本)
シャツやパンツを干すのに。最初は10本あれば回せます。プラスチック製より、すべりにくいタイプが◎。
室内干しスタンド or 突っ張り棒
ベランダがない、または天気が悪い日用に。突っ張り棒なら場所を取らず、予算も1,000円程度で済みます。
賃貸あるある:ベランダが狭い、日当たりが悪い物件は多いもの。室内干しグッズは必須と考えておきましょう。
掃除用品|”サッと掃除できる”が継続の秘訣
フローリングワイパー
掃除機より手軽で、毎日の床掃除に最適。シートは使い捨てタイプとドライ・ウェット両用があると便利。本体は500〜1,000円。
コロコロ(粘着クリーナー)
布製品や細かい場所のホコリ取りに。ベッド周りやカーペットに大活躍。予算300〜500円。
除菌ウェットシート
テーブルやドアノブ、水回りの掃除に。サッと拭けるので習慣にしやすい。
小さなゴミ箱(部屋用・キッチン用)
各場所に1つずつあると、ゴミをためずに済みます。キッチンは蓋つきが◎。予算1,000〜2,000円。
プチアドバイス:「掃除道具がすぐ手に取れる場所にある」ことが、きれいを保つ最大のコツです。
洗濯・掃除用品の予算目安
| アイテム | 予算 |
|---|---|
| 洗濯用品一式 | 3,000〜5,000円 |
| 掃除用品一式 | 2,000〜4,000円 |
| 合計 | 約5,000〜9,000円 |
【翌日から必要】バス・トイレ周り|一日の疲れをリセットする場所
お風呂とトイレは、「清潔感」と「心地よさ」で一日の質が変わります。
特に引越し直後は疲れやストレスが溜まりやすいので、リラックスできる空間づくりが大切です。
バス用品|”好きな香り”が心を整える
ボディソープ・シャンプー・コンディショナー
最初はトラベルサイズで試して、好みに合えば大きいサイズに切り替えるのが失敗なし。予算1,500〜3,000円。
ボディタオル
ナイロン製は泡立ちが良く、速乾性も◎。綿タオルより衛生的です。予算300〜500円。
バスマット
珪藻土タイプは吸水力が高く、すぐ乾くので一人暮らしに最適。布製なら洗い替えを1枚用意しましょう。予算1,000〜2,000円。
よくある失敗:バスタオルを何枚も買って、干す場所がない。最初はフェイスタオル2〜3枚で十分回せます。
トイレ・洗面用品|”清潔”が安心につながる
トイレマット
飾りというより、床の汚れ防止のため。小さめサイズなら洗濯も簡単。予算500〜1,000円。
トイレットペーパー・予備1ロール
引越し当日から必要な最重要アイテム。最初は6ロールパックを買っておくと安心。
洗面コップ
歯磨き用に。プラスチック製なら割れる心配もなく、予算200〜300円。
歯ブラシ・歯磨き粉
毎日使うものこそ、「使いやすさ」を重視。歯ブラシは1ヶ月で交換する前提で予備も買っておくと◎。
ハンドソープ
ポンプ式が手軽。除菌タイプなら感染症予防にも。予算300〜500円。
プチアドバイス:毎日使うものは「好きな香り」「好きな色」を選ぶと、暮らしが楽しくなります。
バス・トイレ用品の予算目安
| アイテム | 予算 |
|---|---|
| バス用品一式 | 2,500〜4,500円 |
| トイレ・洗面用品 | 1,500〜2,500円 |
| 合計 | 約4,000〜7,000円 |
【最優先】寝具周り|眠れる環境を整える
一人暮らしで最も大切なのは「ちゃんと眠れること」。睡眠の質が悪いと、仕事も勉強も日常生活もすべてに影響します。
家具を揃える前に、まずは「体を休める場所」を確保しましょう。
基本の寝具|”3日間快適に眠れる”が最低ライン
マットレス or 敷布団(厚み3〜5cm)
床に直接敷くなら、厚み5cm以上のマットレスが快適。三つ折りタイプなら収納もしやすく、予算3,000〜8,000円。フローリングに直接寝ると体が痛くなるので、ケチらないのが正解です。
枕
高さが合わないと首や肩が痛くなります。最初は調整できる枕(中材を出し入れできるタイプ)がおすすめ。予算1,500〜3,000円。
掛け布団 or ブランケット
季節に応じて選びましょう。春秋なら薄手のブランケット(2,000円〜)、冬なら羽毛布団(5,000円〜)が快適。真夏はタオルケットでもOK。
シーツ・カバー(洗い替え1セット)
最低でも洗い替え1セットがあると、洗濯中も困りません。敷きパッドがあると汗を吸い取ってくれて快適。予算2,000〜4,000円。
賃貸あるある:ベッドを買ったはいいけど、部屋が狭くて後悔…。最初はマットレスだけで様子を見るのが失敗しない選択です。
環境を整える|”光”と”湿気”対策が快眠のカギ
カーテン(遮光タイプ推奨)
防犯とプライバシー保護はもちろん、朝日で起こされたくない人は遮光1級が必須。窓のサイズは物件によって違うので、入居前に採寸を。予算5,000〜10,000円。
除湿シート(床に寝る場合)
フローリングに直接マットレスを敷くと、湿気でカビが生えやすい。除湿シートを1枚敷くだけで、カビ・ダニ予防になります。予算1,500〜3,000円。
プチアドバイス:「高いベッドを買ってから後悔」より、「まずマットレスで試して、必要なら買い足す」方が失敗しません。
寝具周りの予算目安
| アイテム | 予算 |
|---|---|
| マットレス・布団 | 3,000〜8,000円 |
| 枕 | 1,500〜3,000円 |
| 掛け布団・ブランケット | 2,000〜6,000円 |
| シーツ・カバー | 2,000〜4,000円 |
| カーテン | 5,000〜10,000円 |
| 除湿シート(必要に応じて) | 1,500〜3,000円 |
| 合計 | 約15,000〜34,000円 |
※ カーテンは防犯上、引越し当日から必須。寝具の質は睡眠の質に直結するので、ここはケチらないのが正解です。
【あると安心】暮らしの小物|細やかな道具が、ストレスを減らす
「こんなの後でいいや」と思いがちな小物ほど、実は日常生活で「あって良かった」と実感するアイテムです。
特に災害時や急なトラブルにも対応できるものを揃えておくと、心の余裕が生まれます。
電気・照明関連|”停電”に備える視点
延長コード(2〜3m)
コンセントの位置と家具配置が合わないことはよくあります。3〜5口タイプが便利。予算800〜1,500円。
モバイルバッテリー
スマホの充電切れは現代の最大の不安。災害時の備えとしても必須です。容量10,000mAh以上が安心。予算2,000〜3,000円。
ランタン or 小型ライト
停電時や夜中にトイレに行くときに便利。LEDタイプなら電池が長持ちします。予算1,000〜2,000円。
災害対策の基本:「普段使いできて、いざという時も役立つ」ものを選ぶのがコツです。
日常の必需品|”ちょっとした不便”を解消する
はさみ・ドライバーセット
通販の開封、家具の組み立て、ネジの締め直しなど、意外と使う場面が多い。100円ショップで揃えても十分。予算500〜1,000円。
ゴミ袋(自治体指定のもの)
引越し直後は段ボールの処分などでゴミが大量に出ます。自治体指定のゴミ袋を事前に購入しておくと安心。サイズ違いで数枚ずつ用意を。
ティッシュ・トイレットペーパー予備・マスク
ティッシュは2〜3箱、トイレットペーパーは予備を6ロール程度。マスクも1箱あると安心です。
ラップ・アルミホイル
食品の保存や電子レンジ調理に。100m巻きなら1本で数ヶ月もちます。
ガムテープ・梱包材
引越しの段ボール処分や、荷物の発送時に必要。透明テープと布テープ、両方あると便利。
よくある失敗:「そのうち買おう」と思っていたら、必要なときに手元にない。小物こそ最初にまとめ買いがおすすめです。
暮らしの小物の予算目安
| アイテム | 予算 |
|---|---|
| 電気・照明関連 | 3,800〜6,500円 |
| 日常の必需品 | 2,000〜3,500円 |
| 合計 | 約5,800〜10,000円 |
【後から買うべきもの】焦って揃えると後悔するアイテム
一人暮らしを始めるとき、「これも必要かも」と買いすぎてしまうのは誰もが通る道。
でも、以下のものは生活スタイルが見えてから検討するのが正解です。無駄な出費を避けるための”待った方がいいリスト”を紹介します。
家具・家電|”生活パターン”が見えてから
- ❌ テレビ・テレビ台
→ 最近はスマホやPCで十分な人が増加中。「本当に見るか?」を1ヶ月考えてから - ❌ ソファ
→ 部屋が狭く感じる原因No.1。床に座る派なら不要かも - ❌ 大きな本棚・収納家具
→ 荷物の量を把握してから選ぶべき。買ってから「入らない」「邪魔」は悲惨 - ❌ ロボット掃除機・空気清浄機
→ 部屋の広さや生活スタイルに合うか確認してから。ワンルームには大きすぎることも - ❌ 高級炊飯器・トースター
→ 自炊の頻度が見えてから検討。最初は3,000円の炊飯器で十分
インテリア・雑貨|”自分の好み”が固まってから
- ❌ 観葉植物
→ 世話をする余裕があるか、日当たりは十分かを見極めてから - ❌ 装飾品・ポスター・クッション
→ 暮らしながら「本当に好きなもの」を見つける方が満足度が高い - ❌ アロマディフューザー・間接照明
→ 憧れで買っても、結局使わないことが多い
消耗品|”大量買い”は失敗のもと
- ❌ 洗剤・シャンプーの大容量サイズ
→ 好みに合わなかったり、香りに飽きたりする。最初は小さめサイズで試して - ❌ 大量のハンガー・収納ケース
→ 実際の服の量を把握してから買い足す方が無駄がない
合言葉は「最低限で始めて、必要になったら買い足す」。足りないことより、「買いすぎて処分に困る」方がよっぽどストレスです。
【一覧表】生活スターターセット|カテゴリ別まとめ
最初の一週間を困らず過ごせる、バランスの取れた構成です。
| カテゴリ | 必要数 | 優先度 | ポイント |
|---|---|---|---|
| キッチン | 約9点 | ★★☆ | 食べる・洗うが完結できる |
| 洗濯・掃除 | 約11点 | ★★★ | 清潔を維持しやすいラインナップ |
| バス・トイレ | 約9点 | ★★★ | 香りと清潔感で心地よく |
| 寝具 | 約6点 | ★★★ | “眠れる”を最優先に |
| 小物 | 約8点 | ★☆☆ | 防災・日常の両方に役立つ |
| 合計 | 約43点 | — | 最初の一週間の基盤 |
※ 優先度★★★=初日から必須、★★☆=翌日までに、★☆☆=1週間以内に
【予算の目安】スターターセットの総額|節約ポイントつき
無理なく揃えられる予算配分の参考にしてください。
| カテゴリ | 最小限予算 | 標準予算 | 節約のコツ |
|---|---|---|---|
| キッチン周り | 6,000円 | 10,000円 | 100円ショップ活用で半額に |
| 洗濯・掃除用品 | 5,000円 | 9,000円 | セット商品を狙う |
| バス・トイレ用品 | 4,000円 | 7,000円 | トラベルサイズで試してから |
| 寝具(基本セット) | 15,000円 | 34,000円 | マットレスはケチらない |
| 小物・日用品 | 5,800円 | 10,000円 | まとめ買いで単価DOWN |
| 合計 | 約35,800円 | 約70,000円 | 実家から持参で-20,000円 |
予算を抑える3つのコツ
1. 実家から持っていけるものを最大活用
タオル、食器、文房具など、使えるものは遠慮なく持参を。新品にこだわらなければ1〜2万円は浮きます。
2. 100円ショップを賢く使う
食器、掃除道具、小物類は100円ショップで十分なものも多い。特にDAISO・Seria・Can★Doは品質も◎。
3. 優先順位を守る
「最優先」のもの(寝具・カーテン・照明)にはしっかり予算を使い、「あると便利」なものは後回しに。
予算配分の鉄則:睡眠と清潔にはお金をかけ、見た目や便利グッズは後回し。これが失敗しない新生活のコツです。
まとめ|”暮らしを始める”とは、完璧に揃えることじゃない
一人暮らしの準備で大切なのは、「全部揃えること」ではなく、「最低限で暮らしを回せる状態をつくること」です。
足りないものは、生活しながら気づけばいい。必要なものは、暮らしが教えてくれます。
入居前に揃えるべき優先順位
【最優先】初日の夜を乗り切る
- 寝具(マットレス・枕・掛け布団)
- カーテン
- 照明器具
- バス・トイレ用品
【翌日までに】基本的な生活が回る
- 洗濯用品(洗剤・ハンガー)
- 掃除道具(ワイパー・ゴミ袋)
- キッチン最小限セット
【1週間以内に】自分のペースで判断する
- 追加の食器・調理器具
- 収納用品
- 小物・インテリア
最後に|焦らず、自分のリズムで
「あれもこれも」と焦って買い揃えなくて大丈夫。
大切なのは、今日の夜を快適に過ごせること。明日の朝、気持ちよく目覚められること。
それができたら、あとは少しずつ。
暮らしは、買い揃えることより、”始めること”から軽やかに。
必要なものは、生活が教えてくれます。
焦らず、自分のリズムで。
あなたの新しい暮らしが、心地よく始まりますように。