ワンルームの部屋は、広くはないけれど、自分だけの世界が詰まった場所。
けれど、暮らし始めて数週間もすると、「なんだか散らかって見える」「収納が足りない」と感じる人も多いはず。
収納のコツは、”ものを隠す”ことではなく、ものを決める・置き場所を決める・増やさない仕組みをつくること。
この記事では、ワンルームでもすっきり暮らすための、基本の考え方と、実践しやすい収納のルールを5つのステップで紹介します。
目次
ワンルーム収納の基本的な考え方
収納を始める前に、まず押さえておきたい考え方があります。
ワンルームで大切な3つの原則
- 収納家具を増やさない:家具が増えると部屋が狭く見える
- 床面積を確保する:床が見える面積が広いほど、部屋が広く感じる
- 動線を邪魔しない:生活の流れを妨げない配置が基本
ワンルームでの収納は、「どれだけ収納できるか」ではなく、「どれだけ快適に暮らせるか」を優先するのが正解です。
【Step 1】まず「持ちもの」を見直す
収納の前に、最初にすることは”しまう場所を作る”ではなく、「今あるものを把握する」ことです。
持ち物を3つに分類する
引越し直後は、まだ生活が整いきっていないからこそ、一度すべてを見渡してみましょう。
1. 使っているもの
毎日〜週に1回は使う、生活に欠かせないアイテム。これらは手の届く場所に。
2. なんとなく置いてあるもの
「いつか使うかも」と思っているけど、最近は触っていないもの。本当に必要か考えてみる。
3. まだ箱のままのもの
引越しから数週間経っても開けていないなら、今の暮らしには必要ない可能性が高い。
この3つに分けてみるだけで、“本当に必要なもの”が自然と見えてきます。
収納の鉄則:収納は「整理」よりも「選択」。増やす前に、まず減らすことから始まります。
手放す基準
- 1年以上使っていないもの:今後も使わない可能性大
- 似たようなものが複数ある:数を減らして厳選
- 「もったいない」だけで残しているもの:使わないものを置いておく方がスペースがもったいない
【Step 2】カテゴリーごとに「定位置」を決める
すっきり見える部屋は、実はものの位置が決まっている部屋です。どんなにおしゃれな収納アイテムを買っても、定位置が決まっていないと、すぐに散らかってしまいます。
使用頻度で置き場所を決める
「よく使うもの」は手の届く範囲に
- スマホ充電器、リモコン、文房具など
- 机の上、ベッドサイド、玄関など「定位置」を決める
「たまに使うもの」は高い場所や奥へ
- 季節家電、予備のタオル、書類など
- クローゼットの上段、ベッド下収納などへ
「見せたくないもの」は引き出しや収納ボックスに
- 掃除道具、洗剤、日用品のストックなど
- 蓋付きボックスや引き出しに隠す
これだけで、部屋の中に“リズム”が生まれます。
ポイント:「使う→戻す」が自然にできる配置こそ、小さな部屋をすっきり保つ一番の近道です。
エリア別の定位置例
| エリア | 収納するもの | 配置のコツ |
|---|---|---|
| 玄関 | 鍵・靴・バッグ | フックと小さな棚で「帰宅→置く」をスムーズに |
| デスク周り | 文房具・充電器・書類 | トレイやペン立てで「出しっぱなし防止」 |
| クローゼット | 衣類・季節もの | よく着る服は目線の高さ、季節外は上段や下段へ |
| キッチン | 調理器具・食器・食材 | 使用頻度順に手前から奥へ配置 |
| 水回り | タオル・洗面用品・掃除道具 | 洗面台下やラックで「使う場所の近く」に収納 |
【Step 3】高さと余白を使う
ワンルームでは、床面積ではなく“縦の空間”を使うのがポイント。
縦空間を活用する収納術
壁に取り付けられる棚
- 壁面ラックやフックで、壁を収納スペースに
- 本・小物・グリーンなど、見せる収納に最適
吊り下げ収納
- クローゼットのポールにS字フックを使って、バッグや帽子を吊るす
- キッチンでは調理器具を吊るして省スペース化
ベッド下やソファ下のスペース
- 収納ケースを使って、季節外の衣類やリネン類を保管
- キャスター付きなら出し入れも簡単
収納家具を増やすよりも、高さを活かす収納を選ぶと、部屋が広く見えるだけでなく、掃除もしやすくなります。
余白を残す重要性
そして大事なのは、「詰め込みすぎない」こと。
- 収納ボックスの7〜8割を目安に
- クローゼットのハンガーはゆとりを持たせる(詰めすぎると服が傷む)
- 棚は上段に余白を残すと圧迫感が減る
見た目にも、心にも余白が生まれます。
【Step 4】見せる収納と隠す収納を分ける
すべてを隠すと息苦しく、すべてを見せると雑多に見える。ワンルームでは、このバランスが大切です。
見せる収納に向いているもの
- お気に入りの食器・グラス
- 読みかけの本・雑誌
- 観葉植物
- アート作品・写真
- よく使う調理器具(おしゃれなもの)
自分が“見て気分が上がるもの”だけを見せると、小さな空間でも、自然と整った印象になります。
隠す収納に向いているもの
- 掃除道具(ほうき、モップ、掃除機)
- 洗剤・洗濯用品
- 日用品のストック
- 配線・充電器類
- 生活感の出る小物
蓋付きボックスや引き出し式収納を使えば、目に入らずすっきり。
合言葉:「飾る」ではなく、「置くだけで心地いい」を意識。
見せる収納のコツ
- 色を揃える:白・グレー・ベージュなど、色味を統一すると統一感が出る
- 素材を揃える:木製、ガラス、金属など、素材をある程度統一
- 余白を残す:棚に詰め込みすぎず、スペースを空ける
【Step 5】1日1分、”戻す時間”をつくる
ワンルームの収納は、「片付ける」より「戻す」時間を習慣にすることで続きます。朝や夜の1分でOK。
毎日の「戻す」習慣リスト
朝のリセット(1分)
- ベッドを整える
- 昨日の服をクローゼットに戻す
- 床に何も置かない状態にする
夜のリセット(1分)
- 机の上をリセットする
- 洗濯物をハンガーごとクローゼットに戻す
- キッチンのシンクを空にする
この小さな行動が、部屋全体の“整って見える力”を支えます。
続く暮らしの秘訣:完璧より「ちょっとの手間を惜しまないこと」。
「戻す」を習慣化するコツ
- 定位置を決める:戻す場所が明確だとストレスが減る
- 時間を決める:「夜の歯磨き後」など、既存の習慣とセットに
- 完璧を目指さない:8割できればOKという気持ちで
最低限そろえておきたい収納アイテム
| アイテム | 役割 | ポイント | 予算目安 |
|---|---|---|---|
| 収納ボックス | 見せない収納 | サイズを統一してすっきり見せる | 300〜1,000円/個 |
| ハンガーラック | 洋服収納 | クローゼット代わりに使える | 3,000〜8,000円 |
| ベッド下収納ケース | 空間活用 | 季節もの・リネン類の保管に | 1,000〜3,000円 |
| 壁面ラック | 高さの活用 | よく使う小物や本をまとめる | 2,000〜5,000円 |
| トレイ・小物ケース | 机まわり | “出しっぱなし防止”に効果的 | 500〜1,500円 |
収納アイテム選びのポイント
- サイズを統一する:同じシリーズで揃えると統一感が出る
- 半透明より不透明:中身が見えない方がすっきり
- 重ねられるもの:スタッキング可能だと省スペース
- 最初は少なめに:必要になったら買い足す
ワンルーム収納でやってはいけないこと
❌ 収納家具を先に買う
持ち物を把握する前に収納家具を買うと、サイズが合わなかったり、使わなかったりします。まずは持ち物を整理してから。
❌ 床に直接ものを置く
床に直接ものを置くと、部屋が狭く見えるだけでなく、掃除もしにくくなります。すべて「浮かせる」か「収納する」を徹底。
❌ 「とりあえず」で収納する
定位置を決めずに「とりあえず」で収納すると、結局どこに何があるか分からなくなります。最初に定位置を決めることが大切。
❌ 詰め込みすぎる
収納スペースを100%使い切ると、取り出しにくく、戻しにくくなります。7〜8割を目安に余白を残しましょう。
まとめ|すっきり暮らすことは、心地よく暮らすこと
ワンルームでの収納は、「限られた空間をどう活かすか」ではなく、“どんな暮らし方をしたいか”を考えることから始まります。
収納で大切にしたいこと
- ✅ まず減らす:持ち物を見直し、本当に必要なものだけに
- ✅ 定位置を決める:「使う→戻す」が自然にできる配置
- ✅ 縦空間を活用:床面積を広く見せる工夫
- ✅ 見せると隠すのバランス:気分が上がるものだけを見せる
- ✅ 毎日1分リセット:「戻す」習慣が部屋を整える
自分が落ち着く配置、気持ちよく使える量、それが結果として「すっきり暮らす」につながります。
収納の目的は、”隠すこと”ではなく、“心地よく暮らすこと”。
あなたの部屋が、小さくても、心が広がる空間になりますように。