新居の鍵を受け取った瞬間、期待と同時に「何から準備すればいい?」という焦りが押し寄せてくる——それが一人暮らしのスタートです。
ネットで検索すると「あれも必要、これも必須」と情報が溢れ、気づけばカートに何万円分も入っている。でも本当に初日から全部必要でしょうか?
答えはNOです。
一人暮らしで本当に大切なのは、「初日の夜を過ごせること」と「翌朝の準備ができること」。それ以外は、生活しながら自分のペースで揃えていけます。
この記事では、入居前に「これだけは」という最小限のアイテムを、優先度別に整理しました。無駄な出費を避けながら、安心して新生活をスタートさせましょう。
目次
【最優先】引越し当日の夜に必要なもの
1. 寝る場所の確保
マットレス or 敷布団
初日の疲れた体を休めるために、まず確保すべきは寝具です。ベッドフレームは後回しでOK。床に直接敷くタイプなら、予算3,000円〜でも十分快適に眠れます。
枕・掛け布団(または毛布)
季節に応じて調整を。真冬ならしっかりした掛け布団、春秋なら薄手のブランケットで十分です。
選び方のコツ:寝具は「まず3日間快適に眠れるか」を基準に。高級品は暮らしに慣れてから検討しましょう。
2. カーテン|見落としがちな”必須アイテム”
なぜ最優先?
窓がむき出しだと、外から室内が丸見えになるだけでなく、防犯上のリスクも高まります。さらに、朝日で目が覚めてしまうことも。
事前準備が命
窓のサイズは物件によってバラバラ。内見時または契約時に採寸しておき、入居前に購入しておくのがベストです。
- レースカーテン+遮光カーテンのセットが基本
- 丈は「床につかない程度」が掃除もラク
- 遮光1級なら朝の光も遮断できて快眠しやすい
3. 照明器具+延長コード
賃貸あるある:照明が付いていない部屋が多い
天井の照明器具がない物件では、引越し当日に真っ暗な部屋で途方に暮れることに。LEDシーリングライトなら3,000円前後で購入でき、取り付けも簡単です。
延長コードは必須
コンセントの位置と家具配置が合わないことはよくあります。3〜5口タイプを1本持っておくと、スマホ充電や照明の配置が自由になります。
【翌朝から困らない】生活の基礎を整えるもの
4. バス・トイレ・洗面用品
初日の夜に使うもの
- シャンプー・ボディソープ(トラベルサイズでもOK)
- 歯ブラシ・歯磨き粉
- タオル2〜3枚(フェイスタオルが乾きやすくて便利)
- トイレットペーパー
翌朝までに準備したいもの
- ハンドソープ
- ドライヤー(髪が長い人は必須)
よくある失敗:バスタオルを買いすぎて干す場所に困る。最初はフェイスタオル多めがベター。
5. 掃除道具|引越し後の床はホコリだらけ
引越し直後の床は、搬入時のホコリや髪の毛で意外と汚れています。家具を置く前にサッと掃除できる道具があると気持ちよくスタートできます。
最低限これだけ
- フロアワイパー(クイックルワイパー的なもの)
- 粘着コロコロ
- ゴミ袋(自治体指定のもの)
本格的な掃除機や洗剤は、生活パターンが見えてきてからで十分です。
6. 洗濯セット|「干せる」が大前提
初日から必要
- 洗濯洗剤(ジェルボールが便利)
- ハンガー5〜10本
様子を見てから買うもの
- 物干しラック、ピンチハンガー
- 洗濯カゴ
部屋の広さや日当たり、ベランダの有無によって最適なアイテムは変わります。最初は少量のハンガーで試し、必要に応じて買い足すのが無駄がありません。
【あると安心】小さな備えが心の余裕になる
7. キッチン周り|”最初は最小限”が鉄則
一人暮らし=自炊、というイメージが強いですが、実際には外食やコンビニ中心になる人も多いもの。料理の頻度は暮らしながら決まります。
入居前に揃えておくもの
- マグカップ1個
- スプーン・フォーク・箸
- 小皿2〜3枚
1週間暮らしてから検討するもの
- 鍋・フライパン
- 包丁・まな板
- 炊飯器
自炊するかどうかわからないうちに調理器具を揃えると、結局使わずに場所を取るだけになりがちです。
8. 消耗品|地味だけど”ないと困る”もの
こういった小物こそ、引越し直後に「あってよかった」と実感するアイテムです。
- ティッシュペーパー
- キッチンペーパー
- ラップ・アルミホイル
- ゴミ袋(複数サイズ)
- ハサミ・ガムテープ
特にゴミ袋は、引越しのダンボール片付けでも大活躍します。
9. 小さな「もしも」への備え
慣れない環境では、体調を崩しやすいもの。小さな不調に対応できるアイテムがあると、精神的にも安心です。
- 体温計
- 常備薬(痛み止め・胃腸薬など)
- 絆創膏・消毒液
- 簡易工具セット(ドライバー・六角レンチなど)
家具の組み立てや、ちょっとしたネジの締め直しに工具は意外と使います。
【買わなくていいもの】焦って揃えると後悔するアイテム
一人暮らしを始めるとき、「これも必要かも」と買いすぎてしまうのはよくあること。でも、以下のものは暮らしてから検討するのが正解です。
- ❌ テレビ・テレビ台
→ スマホやPCで十分な人が増えています - ❌ 大きな収納家具
→ 荷物の量を把握してから選ぶべき - ❌ 高級家電(空気清浄機・ロボット掃除機など)
→ 部屋の広さや生活スタイルに合うか確認してから - ❌ インテリア雑貨
→ 暮らしながら「本当に好きなもの」を見つける方が満足度が高い
【予算の目安】初期費用をどう配分するか
入居前の買い物で、無理なく揃えられる予算の目安はこちらです。
| カテゴリ | 予算目安 |
|---|---|
| 寝具(マットレス・布団・枕) | 10,000〜20,000円 |
| カーテン | 5,000〜10,000円 |
| 照明 | 3,000〜5,000円 |
| バス・トイレ用品 | 3,000〜5,000円 |
| 掃除・洗濯用品 | 3,000〜5,000円 |
| キッチン最小限セット | 2,000〜3,000円 |
| 消耗品・小物 | 3,000〜5,000円 |
| 合計 | 約30,000〜50,000円 |
もちろん、実家から持っていけるものがあればさらに抑えられます。
まとめ|”始められる状態”をつくることが最優先
一人暮らしの準備で大切なのは、「完璧に揃えること」ではなく、「初日から困らない環境を最小限で整えること」です。
入居前に揃えるべき優先順位
【最優先】初日の夜を乗り切る
- 寝具、カーテン、照明
【翌日までに】基本的な生活動作ができる
- バス・トイレ用品、掃除道具、洗濯セット
【1週間以内に】自分のペースで判断する
- キッチン用品、収納、インテリア
暮らしは、買い揃えることではなく、少しずつ自分のスタイルを見つけていく時間そのもの。
必要なものは、生活が教えてくれます。
焦らず、自分のペースで。
あなたの新しい暮らしが、心地よく始まりますように。